尊さ

  • 2023.05.15 Monday
  • 18:21


『新潮』の今月号。 小沢健二の村上春樹評なんて、私得が過ぎる。勝手に柴田元幸氏や小澤征爾氏などを通して知り合いなんじゃないかと妄想はしていたが、やっぱり面識があったようで感慨深い。

いや、感慨深さを通り越して興奮が冷めやらない。これが今風に言うところのいわゆる「推し同士の関係の尊さ」ってやつなのか?いや2人とも「推し」なんて言うのは畏れ多いのだけれども。


全然話は違うが最近、高村薫の『冷血』の文庫版を読み終わった。下巻の、人間という得体の知れないものの奥底に迫る合田と犯人とのやり取りに圧倒されていたのだが、ふと合田と義兄の関係も尊いよなと。


今日は自分の血液内科で、担当の先生が変わって初めての受診。とても感じが良く話し易い先生だったので安心した。色々と聞きたかったこともたくさん聞けた。今の先生の考えとしては、まだ「骨髄異形成症候群」の診断確定ではなくあくまでも疑いだと。でもすぐではないけれどももう一度骨髄検査しましょうとのこと。数値的には悪くないし、とりあえず経過観察を継続。

お守りとしての本

  • 2022.03.24 Thursday
  • 19:04

 

1970年〜80年代くらいの日本の純文学とかエッセイが読みたいサイクルがたまに来る。

尾辻克彦(赤瀬川原平も)、小沼丹、野呂邦暢、佐藤泰志などなど。

 

エッセイも小説もどちらも、ちょこちょこと買ったり読んだりしている。

疲れているけれども読書の時間が取れる時や、頭がいっぱいで落ち着きたい時などに、ちびちびと少しずつ読む。少し昔の話で文体も落ち着いていているのが、そういう時の私には合っている。

しんどい内容もあるのだけれども、現在進行形の自分から離れることが出来て、それでも自分の存在は肯定出来るような、大袈裟かも知れないけれども自分が回復するためのお守りのような感じ。

 

あともう1種類のお守りは、イライラしたり心が荒ぶったりしている時に読むミステリ。

洋邦・古典現代問わず。

どんでん返しでカタルシスを得たり、美味しそうな食べ物の描写で楽しんだり、続きが気になってハラハラしたりしているうちに落ち着いて元気になっていたりするのだ。

 

本が好きな人ってそういうお守りだったりいつかのために取って置くような積読本があるだろうなと私は勝手に思っていて、そして見知らぬ本好きの人々の心が平穏であれと、また勝手に祈っているのだ。

今後はコージーミステリをシリーズで通して読んでみたい。

あんまり詳しくないので好みのものを探してみようかな。

オドロキオドラデク

  • 2022.02.06 Sunday
  • 17:18

 

夫が札幌へ出張。コロナも大雪も心配だし何しろさみしいのだが、反面、自分の時間を持つことができて最近ぐずぐずしていた読書をすすめた。

 

まず『バーナード嬢曰く。』の新刊が出ていたのに気がついて慌てて買っておいたものを読む。

ド嬢と神林さんの関係もどんどん良いし、長谷川さんと遠藤君も良き。でも結局4人各々の関係が全て推せる!!最初は読書あるある漫画として読んでいたのに、今では読みながら何度も泣きそうになっている。

 

ド嬢を読んで読書モードになり、次は積んでいたクォンヨソンの『レモン』。

ひとつの謎めいた死があって、それが緩やかだったり突然だったりしながら周りの人間を孤独にしてゆく。でも読後はほんのりと希望を持てた気がしてそれも良かった。

 

- - - - - -

 

昨日、父親に母の3回目のワクチン予約を丸投げされる。それだけなら全く問題ないのだが、まだ接種券も来ていないのに母がパーキンソン病でかかっているクリニックの次の診察日に予約を入れろと。

私が「ちょっとそれは出来ないんじゃない?」と言うと、とたんに機嫌が悪くなってイライラをぶつけてくる。

父は友達の医者に頼んで打たせてもらってるんだからその時に母さんも一緒に打ってもらえばいいのに、母さんが一緒だと自分で世話しないといけないし、帰りに喫茶店も寄れないから嫌なのだろう。

寝る前にホラー

  • 2021.06.09 Wednesday
  • 19:14

 

何故かわからないが突然に、怖いのにやめられない読書がしたくなった。

とりあえず自宅の積読本から

 

シャーリイ・ジャクスン『ずっとお城で暮らしてる』

J・C・オーツ『とうもろこしの乙女、あるいは七つの悪魔』

ドニー・アイカー『死に山』

京極夏彦『書楼弔堂 破曉』

 

・・を選んでみたが、結局は図書館でスティーヴン・キングの『IT』を借りてきた。

スティーヴン・キングは高校生の頃に『シャイニング』が怖くてどうしようもないのに面白くて、怖くてどうしようもないからこそ結末を求めて徹夜で(でも怖いから妹の部屋に勝手に入って)読んだ思い出がある。

そして、そういえば読書好きだった亡き叔母が熱く語っていた『IT』、読んでないなあと思い出したのだった。

 

しかしとにかく厚い。上巻だけで600ページ超えの2段組。でもやっぱり、おもしろこわい。毎日寝る前に少しでも読む!

読みたい本がある

  • 2019.08.23 Friday
  • 20:36


久しぶりに読書特集の雑誌を買った。「&プレミアム」。

私は書店に行っても、欲しいと思っていた本でさえ買うかどうかでグズグズすることが多いのだが、今回はパラっとしてからすぐに購入。
掲載されている本に、今気になっている本と、読んだことがありなおかつ好きなものが多かったので、きっと残りの知らない本も自分の好みだろうと思って。

私は自分が読書好きなのか本というものが好きなのか、それとも本を読みたいと思っている時間が好きなのか、よくわからない。
でも1番わくわくするのはずっと変わらず、読み始めた本が素晴らしい読書体験になりそうな予感がする時と、本を読み終わって次に何を読むか、何を買うかを悩む時なのだろうと思う。

持っていたい

  • 2019.07.25 Thursday
  • 15:35


夏の文庫まつり、キュンタのしおりが可愛かったので新潮文庫で参戦。今までずっと既読の『江戸川乱歩傑作選』だと思っていたのがなんと『江戸川乱歩名作選』だったと気付き、購入を決める。読みたかった「押絵と旅する男」も入ってる!もしや去年も名作選の方だったのか?


それと、暮しの手帖の表紙が今井麗さんの絵になっていて、思わず買ってしまう。やっぱりいいなあ。

実物の絵を観てみたい。


* * * * *


iPhoneの調子が悪く、やむなく機種変更したところ、今までよりもすごく画面が大きくなった。これはいよいよ電子書籍待った無しか!?と少しワクワクしていたのだが、所有欲に負けて、京極夏彦の百鬼夜行シリーズやら高村薫の合田シリーズやらをわりとまとめて紙の文庫本で買ってしまう。布団に入った後で暗い中でも灯りを点けずに読めるから寝ている夫に迷惑かけなくても良いし、真冬の寒い中で手を出したくない時に布団をかぶって読むことも出来るから、電子書籍いいなあとずーっと思っているのだけれども。


読みかけ

  • 2019.05.18 Saturday
  • 16:21


やっと近所の桜が咲いた。でもまだストーブをつけないと朝夕は寒くって、誇張ではなく一年の半分は冬だなぁと。

「なつぞら」をとても楽しく見ている。
でもやっぱり北海道弁の違和感がすごくて集中できないこともあったり。これは朝ドラあるあるなんだろうなぁ。

画面を見ずに声だけ聞いて、「方言うまい!」と思ったらもちろん音尾さんだという(笑)

読書のこと。
思うように読めていない。頭がついていかない感じ。読みたくなってその時は読めても、しばらくまた駄目だったりするうちにまた気分が変わって違う本を読み始めたり、、の繰り返しで、よく言えば併読、悪く言えば読みかけ放置・・が増えて来ていて、そろそろちゃんと片付けていかないと自分の中での中途半端なモヤモヤがおさまらないし、もう併読出来る脳みそのキャパシティの限界。

自戒のために読みかけリスト

『サリンジャー戦記』村上春樹・柴田元幸
『このサンドイッチ、マヨネーズ忘れてる ハプワーズ16、1924年』サリンジャー
『くじ』シャーリイ・ジャクスン
『私がオバさんになったよ』ジェーン・スー
『この世にたやすい仕事はない』津村記久子
『双生児』クリストファー・プリースト

なのに今はさらに、録画した『浮世の画家』のドラマを見る前に未読の原作を読みたいのと、図書館で今村夏子さんの新刊を予約しているのと。
頭の中が、きゅうきゅう。

茄子の輝き

  • 2017.10.12 Thursday
  • 14:22

初めて読んだ滝口悠生さん。新潮社の『茄子の輝き』がとても良かった。
主人公の一人称で時系列バラバラの短編集。食べ物と場所と記憶のモノローグのような。なんとなく読んでいるうちにいつの間にかどっぷりと浸かってしまっている。
先月の大竹昭子『間取りと妄想』に続いて、図書館本だったけれど買って持っていたい本。しかもどちらも装丁も好き。この雰囲気で文庫になればいいなあ。
滝口さんの新刊『高架線』も同じ雰囲気があって気になっている。
* * * * * * *
epi文庫待ちだった、カズオの『忘れられた巨人』。ノーベル賞効果で来るかなと思っていたら、元々今月予定だったというすごいタイミング。それでもさらに5日くらい早まってた!楽しみ!

 

部屋と人

  • 2017.09.21 Thursday
  • 12:31

iPhoneImage.png

 

一ヶ月くらい本を一冊も読んでいなかったのだけれど、図書館予約本の順番が回って来たので、久しぶりに読書をした。

大竹昭子『間取りと妄想』。

ちょうど、文体も内容も今読みたい気分のものとバッチリあっていて、すらすらと入ってきた。短編集でページ数も200ページくらいで少なめなのがまた読書脳のリハビリには良かったかもしれない。

 

まず間取り図が最初にあって、そして物語が始まってゆくのも楽しい。本の構成だけじゃなくて小説の中でもやはり、部屋があって人が居る。そこには人間関係もあるし、部屋と人とのかかわりもある。

 

* * * * * * * * * *

 

最近また小沢の健二さんがたくさんテレビに出ていて、ファンとしてはとても嬉しいことなのだが、こんなペースでがんがん活動していたら、またヒュっと居なくなってしまうのではないかと不安にもなる。

 

頓服薬のように

  • 2017.07.15 Saturday
  • 22:30


なんだか、ひとりでいる時に嫌なことばかり考えてしまっている。せめて寝る前には、深く考えずにあっという間にストーリーに入り込めて読後感も悪くない読書がしたいなと。こういう時に頼りになるのは北村薫と新井素子の昔の小説だ。
著作多いし図書館ですぐに借りやすいのも良い。頓服薬のようなありがたい本。

表紙や挿絵が高野文子だったり竹宮恵子だったり、贅沢。
お二人とも基本的にはミステリーとSFだが、いわゆる昔の少女小説的な雰囲気もあるものが特に私にはありがたい。

そして新井素子さんはぬいぐるみがお好きなよう。未読だが、ぬいぐるみ愛あふれるエッセイなどもあるらしいので、読みたいと思う。

北村薫は今回、覆面作家シリーズを読んだが、同じような日常の謎系で2人組のだと、やっぱり「円紫さんと私」が一番かなあ。

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