存在しない場所
- 2018.03.23 Friday
- 01:47
北海道へ戻って来た。
引越し難民問題と夫の仕事が多忙問題により、この1ヶ月は横浜でも北海道でも黙々と孤独な引越し作業。
加えて北海道では両方の両親とも近所のため、実両親の過干渉と夫実家での嫁活動も同時に再開し、あーそういえばこんな感じだったなあと思いながらほとほと疲れてしまった。
そして・・。引越し先での公共料金や車などの手続きを終えて最後に役所で転入届を出そうとしたら、なんと、住む場所の住所が存在しないと告げられる。
どうやら昔からの土地のため色々といい加減になっていて届け出た町の枝番「15号」が、地番と地図には存在するのだが、実際の住所としては「12号」までしか発行されてないと。これまでは15で通っていたのかもしれないけどもう出来ないですと言われ、一瞬途方に暮れたものの、どうしようもないので全てやり直しすることになる。
その家としても電気ガス水道なども最初から全て15号としてずっと登録されて通っていたところなので、それぞれに電話で最初から説明して12号として登録し直す作業だけで1日かかってしまう。数年間の引きこもりのツケが回って来たのかもね。
その日の夕方からは、夫が今月末に北海道に来る時の空港への迎えに関して、実家の母と父と夫の実家が本当にどうでもいいことであーだこーだ言い始めて、それも全て私を介してなので、いい加減もう自分が可哀想になって自分のために泣いた。
そのまま夜は、ダンボールを探して開けて浜口陽三の画集を出して布団に入り、2018春限定のサッポロクラシックを飲みながらアスパラとレモンの版画をぼんやり眺める。だから、ちょっと回復。
そうしたら、この存在しない「15号」という場所にある家についてなんだかずっと思いを巡らせてしまう。
今まであったと思われていた番地が突然に消えてぽっかりと穴が空いてしまったような場所に、また私たちは住むことになる。なんとなく面白いような気分になる。外は吹雪。